【私達の心の中に母、つまり温もりに対して反逆してきた思いがあります。
その温もりに対する反逆する心、その心を他力の心と言います。実は、その心が宗教という世界を創ってきたのです。
肉、形を本物とする心、我一番、我は神なりの思いです。この他力の心が、私達の心の中にこびりついています。】
私達人間は、すべての頂点に立つものとして、この地球はもとより宇宙をも我がものにしようと、真っ黒なエネルギーを垂れ流してきたのです。そのエネルギーの中で地球という星は、今や瀕死の状態です。そして、そのような中にありながらも、この星は目覚めなさいと私達に警告を発してくれています。それが、今、地球上で起こっている大小様々の天変地異であり、これから先、私達が体験していく未曾有の天変地異なのです。
未曾有の天変地異が、私達人間に促していくものは、心の中に宿る神々を手放しなさいというメッセージです。私達の心が宗教というものを離していくまで、決して私達は幸せになりません。自分達は初めから幸せであったと分かるには、心の中に宿る神々を手放していかなければならないのです。救いを求める心、祈りを捧げる心、その間違った心に気付きなさいというメッセージが、これから、想像を絶する規模の天変地異として、私達人間に届けられます。
ここで間違わないでください。メッセージを届けるのは、私達自身です。私達が自分達に、次のようなメッセージを届けるのです。
「自分の外に作った神々には、あなたを救う力などありません。支配と破壊のエネルギーを撒き散らして、ますます混乱の中へ突き落としていくブラックパワーに他なりません。そのブラックパワーと手を組み、己の欲望を膨らませ続けてきたのが、これまでの私達の姿でした。もちろん、今もそうです。真実を知らない一人ひとりが宇宙に垂れ流しているエネルギーは膨大です。しかし、そのことに気付いていく、気付いていけるこれからなのです。」
みんなすごいです。肉体という形を持った目の前にいる母親を通して、自分の中の狂った凄すさまじいエネルギーを感じていきましょう。
みんな心の中にあるんだから、母の反省をしていけば、必ずどなたも自分の中の狂った凄まじいエネルギーを知っていきます。
知っていくまで、母の反省をしてください。
みんな本当の自分を捨て去った、愛を捨て去ったんです。
温もりなど要らない、愛などくそくらえ、と叫んできた思いを自分の中で確認できるまで、母の反省をしてください。
そして、お母さんと心に思う、心で呼ぶ、そんな時間を持ってください。
そうしていけば、どんなに温もりなど要らない、愛などくそくらえと叫んでいても、それを本当に無条件で、ただただ受け止めてくれていた母の思い(母の温もり)を、いつの日にか、どなたも知っていけるのです。
そうなってくれば、自分が肉体という形を何としても持ちたかった思いが、自分の中ではっきりと確認できます。
どんなに今という時が嬉しくてありがたい時なのか、自ずと自分の心に響いてきます。
まずそんな母の反省と、母を思う時間を設けて、最初は、表面的でいいですから、「お母さん、ごめんなさい。お母さん、ありがとう」と、素直に言えるようになってください。
初めは、それがささやかなものであっても、やがて、「ああ、私は間違ってきたなあ、お母さん、ごめんなさい。お母さん、ありがとう」という思いが、あなたの心の奥底から突き上がってくるんです。
もちろん、それはそんなに簡単にはいきません。
その思いを阻止する思いが、長い、長い転生を経て、それぞれの心の中に溜め込まれているからです。
そして、その阻止する思いとは、肉、形を本物とする思いなんです。我一番の思いです。我は神なりの思いです。
その肉、形を本物とする思い、我一番、我は神なりの思いを、私達は他力の心と言っています。
この他力の心が、私達の心の中にこびりついています。その心は、非常に根深いし、根強い思いなんです。
宗教とは、戦いのエネルギーです。人を容赦なく殺していきます。背後にあるものは恐怖心です。人を救い、恵みをもたらすものではありません。
そもそも、宗教というものが、この世にあることが異常なのです。人の拠り所としてあることが異常なのです。「なぜ神や仏に救いを求めていくのか」、「なぜ宇宙のパワーを欲するのか」、何の疑問も持たずに、闇雲に信じていくことが、おかしいではありませんか。そして、おかしいと思えないほど狂った意識の世界のままに、今日あることが、次から次へと露呈されていきます。
宗教界の裏側、汚い部分が明るみになっていきますが、それでもそこに一度はまり込んでしまえば、背後にある恐怖心から、自分を解き放すことはできないのです。そのような人達は、愚かです。そして、哀れです。
自分が何者かを知らないから、神を求め、神の化身を信じていくのです。世の中狂って当然です。何か何だか分からない、信じるものがないと、疑心暗鬼に陥っていきます。宗教を求めるエネルギーがそのように形となって出てきます。宗教に救いを助けを求めていくことが、どういうことなのか、そのエネルギーとはどのようなエネルギーなのか、自らの肉体を通して知っていく時が、必ずやってきます。
それは生き地獄です。形の世界に生きていると思っている意識にとって、これほどの地獄はないと言えるほどの地獄の様相を、目の当たりにしていくのだと思います。それでもなかなか、神を自分の外に作った思いは、変えることが難しいかもしれません。救ってくださいと祈って祭ってきた、自分の中のおびただしいほどの過去世達が存在しているからです。ずっとその過去世達の思いのまま、動いてきたのです。
肉体をもらって、その間違いを知って、それを過去世達に伝える計画でしたが、今世もまた、その計画の前に大きく立ちはだかっている宗教という名の壁がありました。神、仏、宇宙のパワーを好きな過去世達の思いを変えていくことは難しかったのです。そうです、確かに今までは、そうでした。宗教を隠れ蓑にして、お金も権力も何もかも吸い寄せられてきたのです。
しかし、これからはそうはいきません。色々なものが明るみに出てきて、まず、宗教色の濃い場所に、次から次へと異変が起こってきます。神、仏に守られている神聖なる場所は、実はそうでないことが分かってくるのです。そこに集う真っ黒なエネルギーが、仕事をしてまいります。おそらく、人々は恐れおののくことでしょう。そして、ますます神に、仏に、宇宙のパワーに、祈りの思いを向けていくかもしれません。
しかし、さらに追い討ちをかけるようにして、どんなに祈り祭っても、人類は救われないことを告げる現象が起こってきます。そして、神も仏も宇宙のパワーさえも、何の役にも立たない現象を目の当たりにして、ようやく、自分達が祈り続けてきた、崇め奉ってきた世界の現実を知っていくのだと思います。
宗教の世界が跡形もなく消え去っていくまで、そのような現象は、この地球上に繰り返し起こってきます。私達は、そのお手伝いができることを嬉しく思っています。
真実はあなたの心で分かることなのです。あなたの外に真実はありません。あなたの外に救いを求めても、あなたは救われないのです。救われると思うそのあなたの心を見ていってください。
宗教では人は絶対に救えません。それは今の世の中を見渡せば一目瞭然です。どうして今もなおこの地球の至るところで闘いが繰り広げられているのでしょうか。人類の幸せと繁栄どころか、宗教を求めるエネルギーはすべてのものを破壊し尽くしているではないですか。神の名のもとに、平気で人殺しが行われています。人類が祈れば祈るほど、祭れば祭るほどにブラックのエネルギーを垂れ流しているのです。
その結果は、やがて起こりくる宇宙的規模の天変地異として、人類の目の前に示されていくでしょう。
次回、「他力信仰」に続く
(田池留吉/塩川香世著『意識の流れ 増補改訂版』『あなたは愛です』、塩川香世著『宇宙の風 増補復刻版』より抜粋)