【 まずは、あなたを生んでくれたお母さんの反省をしていきましょう。】
どなたの心の中にもお母さんのお腹《なか》を通って生まれてきた事実があります。お母さんのお腹を通って生まれてきたということは、その時に本当のお母さんの思い、母の温もりに触れてきたということです。その母の温もりは決して消え去るものではありません。その母の温もりが、あなたの中であなたに答えてくれるのです。真剣に生きようとしているあなたに伝えてくれるのです。ただ、それを肉が自分だとする厚い壁が邪魔をして、今、まだあなたの心に届いていないだけなのです。母の温もりも、その厚い壁も、あなた自身です。ただし、母の温もりはあなたの中にもともとあったものであり、厚い壁はあなた自身が長い転生の間に作ってきたものです。だから、自分の心を見るということを繰り返していけば、どなたの心にもその母の温もりが蘇《よみがえ》ってきて、厚い壁が段々に、ときには一瞬にして消え去っていくということが起こってくるのです。
田池留吉氏は、母親の存在の大きさ、すごさを伝えてくれました。まず、自分を生んでくれた母親に対して、どんな思いをぶつけてきたか、小さかった頃から今現在まで、母親に対して、一体どんな態度を示し、どんな言葉を吐いてきたかということと併せて、母親に向けて出してきた思いを振り返っていく。つまり、母親の反省をするということが、とても大切なことだと伝えてくれました。そこからまず始めてくださいということでした。
母親を毛嫌いするか、見下すか、崇め奉っているか、無視するか、奴隷のように思っているか等々、どの人も母に対してはストレートに思いを出しています。ストレートに思いを出せる存在なんです。それが母親という存在です。
そして、ストレートに出てくる自分の思いを見つめていくために、母親は愚かしいことをしたり言ったりしてくれます。くれぐれもその母親という人間をつかまないでください。人間というものは、みんな愚かなのです。それを念頭に置きながら、ただ、自分の心に湧き起こってくる思いを見つめていく、そこから始めていけば、自分の愚かさが少しずつ分かってくるのではないでしょうか。自分の愚かさに気付いていく、それが心を見るということです。
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お母さんにしてもらったこと。
お母さんがしてくれなかったこと。
お母さんにしてあげたこと。
あなたの思いを包み隠さずに出していきましょう。
【 では、お母さんを思う、ゼロ歳を思う瞑想をしていきましょう。】
お母さんの反省がほぼできてきたら、ゼロ歳の時の瞑想です。
ゼロ歳の時、お母さんのおっぱいをいただいていた時のご自分を思い出していくようにしてください。また、お母さんの子宮の中にいた十月十日の自分にも、あなたの心を向けてください。焦らず、たゆまずに続けてください。長い年月をかけてでも進めてください。お母さんの温もりが感じられるようになるまで、信じられるようになるまで続けてください。
その温もりがあなたですよ。その温もりであなたの闇を抱きしめてあげてください。温もりは愛です。温もりはパワーです。あなたの大きな闇を抱きしめれば抱きしめるほど、あなたの温もりはどんどん大きくなっていきます。あなたはどんどん大きくなっていくあなたに出会っていくのです。
大人になったあなたではなく、あなたが、お母さんから生まれて、まだ1歳にまでならない、そう、ゼロ歳の時、あなたがお母さんの腕に抱かれ、お母さんのおっぱいを無心に吸っていたゼロ歳の時のあなたを思い出してください。
そんな遠い昔のことは思い出せない、そんなこと、思い出せるのか、バカなことを言うな、と言われるかもしれません。
しかし、思い出せるのです。
安らいでいたあなたを、あなたは知っています。
そのあなたがお母さんから伝えられた思いがあります。
「どうぞ、しっかりとこれからのあなたの時間の中で、自分をしっかりと見つめていってください。
私があなたを生んだのは、あなたがあなた自身を見つめてほしいからです。
あなたは、どうぞ、私に肉体をくださいと強く望んできたのです。
あなた自身、自分を見つめたい、どんなに苦しいことがあっても、どんなに辛いことがあっても、人生ままならないときであっても、自分自身を見つめていきたい、今度こそ自分を裏切りたくない、その思いから、私に生んでくださいと、あなたは、言ってきたのです。
もちろん、私自身も愚かな母親でございます。
ただ、私は、今、あなたのその必死な思いに応え、あなたをこの世に産み落としただけです。
その私の思いを、どうぞ、あなたの心で感じていってください。」
そうやって、あなたは、母の意識から、ゼロ歳の時、そっと背中を押し出していただきました。そのお母さんの思いに触れていってくださいと申し上げています。
耳に聞こえること、目に映ることの中には、苦しい悲しい辛いこと、それは多いでしょう。
しかし、ふうっと目を閉じて、お母さんと語り合っていたあなたを思い出していってください。
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目を軽く閉じ、ゼロ歳の自分にもどって、素直にお母さんを呼んでみましょう。
お母さん、お母さん、お母さんと3回お母さんを呼んでください。
それから、お母さんを思う時間を持つようにしてください。
(田池留吉著/塩川香世著『意識の流れ増補改訂版』、塩川香世著『あなた、このまま死んでいっていいのでしょうか』『第二の人生』『その人、田池留吉』、HP『意識の流れ 田池留吉の磁場を思い瞑想をしよう』より抜粋)